<Header>
<Author: 韋應物>
<Title: 幽居>
<Format: 格式不明>
<Year: 1964>
<BookName: 唐詩選　上>
<Translator: 斎藤晌>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 幽居>
<BookPage: 46>
<UsedPage: 1>
<Feature: 1, 4>
<End Header>
<Poem>
貴賤雖異等，
出門皆有營。
獨無外物牽，
遂此幽居情。
微雨夜來過，
不知春草生。
青山忽已曙，
鳥雀繞舍鳴。
時與道人偶，
或隨樵者行。
自當安蹇劣，
誰謂薄世榮。
<End Poem>
<Translation>
人には身分の高いものや身分の低いものがあるが、そんな階級に上下の差別はあっても、自分の家の門を出たら、あくせくと世わたりの営みをやっているのだ。ただわたしだけは、地位だの財産だのなんのかのと、自分の外がわにあるものの索制を受けずに、この浮世ばなれのした閑靜な生活を心ゆくばかり楽しむことができた。昨夜、小雨がひとしきり降ったが、あれで春草も萌え出したかしら。と思っているうちに、はや屋外の青山はほのぼのと明けかかり、雀などの小鳥どもが家のまわりでさえずりはじめた。
一日の仕事としては、あるときは、道人を相手に談笑したり、またあるときは樵夫のあとについて山に登ったりする以外に、餘念はない。わたしはどうせ世わたりなど下手くそな、おろかものだから、當然それで満足しているわけ。格別、わざと自分からお高くとまって、世俗の榮譽を輕視するなんて大それた考えをもっているわけではない。
<End Translation>
<Formatted Translation>
人には身分の高いものや身分の低いものがあるが、そんな階級に上下の差別はあっても、
自分の家の門を出たら、あくせくと世わたりの営みをやっているのだ。
ただわたしだけは、地位だの財産だのなんのかのと、自分の外がわにあるものの索制を受けずに、
この浮世ばなれのした閑靜な生活を心ゆくばかり楽しむことができた。
昨夜、小雨がひとしきり降ったが、
あれで春草も萌え出したかしら。
と思っているうちに、はや屋外の青山はほのぼのと明けかかり、
雀などの小鳥どもが家のまわりでさえずりはじめた。
一日の仕事としては、あるときは、道人を相手に談笑したり、
またあるときは樵夫のあとについて山に登ったりする以外に、餘念はない。
わたしはどうせ世わたりなど下手くそな、おろかものだから、當然それで満足しているわけ。
格別、わざと自分からお高くとまって、世俗の榮譽を輕視するなんて大それた考えをもっているわけではない。
<End Formatted Translation>